中将棋詰め問題集2 『中象戯作物 圖五十』寛文三年(1663)

 中将棊絹篩に続き、ここでは『中象戯作物 圖(図)五十』の詰め問題を50題出題致します。

 江戸時代に残された中将棋の文献の中で、詰め将棋の問題集がいくつか残されていますが、今回紹介する『中象戯作物 圖五十は将棋名人の初代・伊藤宗看によって作られた問題集と見られています。なお、同じ題名の「中象戯作物・元禄九年版」「中将棊作物・延享三年版」がありますが、後者の延享三年版は三代・伊藤宗看の作品で、全くの別物です。

 一方、前者の元禄九年版は作者が初代・伊藤宗看と分かっていますが、今回紹介する寛文三年版と同じ内容のものであるかどうかは今のところはっきりしていません。わかり次第、紹介していきたいと思っています。

 また、こちらの問題集には、中将棊絹篩で既に紹介された同じ問題が複数あることが分かりました。成立した年代から、この中象戯作物が先であることが分かりますが、日本中将棋連盟では中将棊絹篩から先に紹介したために前後しています。(後に「中象戯初心抄・中将棊指南抄」で再録され、さらにそれらが「中将棊絹篩」で再再録されたとお考え下さい。)

『中象戯作物 圖五十』寛文三年(1663)版

第一問(絹篩38番 二問(絹篩7番 三問(絹篩8番 四問(絹篩9番 五問(絹篩30番
六問(絹篩10番 七問(絹篩11番 八問(絹篩26番 九問(絹篩12番 十問(絹篩13番
十一問(絹篩27番 十二問(絹篩14番 十三問 十四問(絹篩33番※) 十五問(絹篩3番
十六問(絹篩4番 十七問☆メキドラさん解答 十八問(絹篩5番 十九問 二十問☆解答募集
二十一問(絹篩6番 二十二問 二十三問☆ 二十四問(絹篩15番 二十五問(絹篩16番※)
二十六問(絹篩17番 二十七問(絹篩18番 二十八問(絹篩34番 二十九問☆ 三十問(絹篩19番※)
三十一問(絹篩20番 三十二問(絹篩28番 三十三問(絹篩32番※) 三十四問(絹篩1番 三十五問(絹篩2番
三十六問(絹篩35番 三十七問(絹篩31番 三十八問(絹篩21番 三十九問(絹篩29番 四十問(絹篩22番
四十一問(絹篩42番 四十二問(絹篩41番 四十三問(絹篩36番 四十四問(絹篩49番 四十五問(絹篩23番
四十六問(絹篩44番 四十七問(絹篩50番 四十八問(絹篩25番※) 四十九問(絹篩43番※) 五十問(絹篩37番

問題に☆マークは、オリジナル。番号は中将棊絹篩と対応しています。※は駒の配置に一部違いが見られる。

 オリジナルの問題では、原本の解答図に漢数字のみが記載されるようになっています。(場所のみが分かるが、どの駒が動くかが分からないので非常に読み解くのは難しいです。)そこでは、通常の漢数字の他に、大字が使われていることもありますので、参考までにその大字を紹介しておきます。

・一=壱    ・二=弐    ・三=参    ・四=肆    ・五=伍    ・六=陸    ・七=漆    ・八=捌    ・九=玖    ・十=拾

とつづきます。1から3と10位はみなさんもご覧になる機会があると思うのですが、4や6789なんて普通は使いません。

 なお、この詰め中将棋の紹介に当たっては「中将棋入門(現在は詰め将棋おもちゃ箱にてミラーサイトが残っています。)」のDHTML中将棋を使用しています。正解手順を見る前に、是非駒を動かして詰め手順を探し出してください。また、このDHTML中将棋を使用されたいという方は、中将棋入門の跡地(詰め将棋おもちゃ箱内でダウンロードは行っていません)までお越しください。 なお、この問題集からDHTML中将棋盤のバージョンが異なっています。以前のものと少しだけ操作方法に変更がありますがご了解下さい。

 「中将棊作物・3代伊藤宗看」の全問題集も上記の詰め将棋おもちゃ箱のサイトで紹介されています。こちらはかなりの難問がそろっています。興味のある方はどうぞ。

 駒はクリックで指定、移動先にて再びクリックして移動完了。成る場合は、移動後に再度指定の駒をctrlキーとクリック同時押しで駒が成ります。

 問題画面から現在の画面に戻りたい場合はブラウザの戻るボタンを使用してください。

 なお、現在問題不成立と見られる問題や、本来の手順以外に余詰めや別解が見つかりましたら掲示板で報告お待ちしております。

 

動作確認ブラウザ

 基本的にDOM対応のブラウザならこれ以外のもの(例えばSafari等)でも動くはずです。

 Netscape 4.xでは棋譜を見る、詰中将棋で駒を動かす等、必要最低限のことしかできません。