日本中将棋連盟 段級位規定

(適用の対象)

第1条 段級位の認定は、連盟主催・あるいは公認の公式対局に参加したもの全員を対象とする。

(段級の範囲)

第2条 段位及び級位は10級から1級、初段から九段と定める。

(用語の意義)

第3条 この規定における用語の意義は当該各号に定めるとおりとする。

(1) 公式対局とは、第4条に定める対局をいう。

(2) 有級者とは、10級から1級の会員をいう。

(3) 有段者とは、初段から九段の会員をいう。

(4) 中段者とは、四段及び五段の会員をいう。

(5) 高段者とは、六段から九段の会員をいう。

(6) 横行落以上とは、横行落、竪行落、二枚王、獅子二、獅子二飛車落、獅子三、獅子三奔王落、獅子三奔龍落の手合をいう。

(8) 獅子二以上とは、獅子二、獅子二飛車落、獅子三、獅子三奔王落、獅子三奔龍落の手合をいう。

(9) 獅子三以上とは、獅子三、獅子三奔王落、獅子三奔龍落の手合をいう。

 

(段級位の適用範囲)

第4条 段級位の対局の適用範囲は、平手、小駒落、横行落、竪行落、獅子二、獅子二飛車落、獅子三、獅子三奔王落、獅子三奔龍及び二枚王で行われた対局であって、次のとおりとする。

ア 連盟主催の通信大会(連盟規約3条1項のa)。

イ 連盟主催のオフ会対局。

ウ 連盟公認のオフ会については、棋譜の提出をもって適用とする。

エ 連盟規約3条1項のcに基づく対局。

 

(段級位の認定)

第5条 段級位の認定は次の通りとする。

(1) 初参加は10級とする。

(2) 9級から1級までは、次の基準による。降級はなし。<別表参照>

ア 高段者からの直接認定。

イ 中段者・高段者に平手で勝てば1級とする。

ウ 中段者・高段者に小駒落・横行落・竪行落の下手で勝てば3階級昇進。

エ 中段者・高段者に二枚王・獅子二の下手で勝てば2階級昇進。

オ 中段者・高段者に獅子二飛車落・獅子三以上の下手で勝てば1階級昇進(獅子二飛車落は3級まで、獅子三以上は5級まで)。

カ 有段者に平手で勝てば3階級昇進。

キ 有段者に小駒落・横行落・竪行落の下手で勝てば2階級昇進。

ク 有段者に二枚王・獅子二以上の下手で勝てば1階級昇進。ただし、獅子二飛車落については4級まで、獅子三については5級まで、獅子三奔王落・獅子三奔龍落については7級までを上限とする。

ケ 有級者に平手で勝てば1階級昇進。

コ 有級者に小駒落・横行落・竪行落の上手で勝てば1階級昇進。また、下手の場合は自分より上位の相手に限り勝てば1階級昇進。

サ 有級者に二枚王・獅子二の上手で勝てば2階級昇進。また、下手の場合は自分より上位の相手に限り勝てば1階級昇進(5級まで)。

 

(3) 初段への昇段は、次の基準による。

ア 高段者からの直接認定。

イ 1級に昇級後、以下の基準で勝ち点5をあげること。

・中段者、高段者に平手で勝てば2点。

・中段者に小駒落から二枚王までの下手の手合い、高段者に小駒落から獅子二までの下手の手合いで勝てば1点。

・1級及び初段から三段までの有段者に平手で勝てば1点。

・同一の対局者からは2勝までを認定の対象とするが、1級から三段までの相手に横行落以上の上手で、中段者・高段者には小駒落以上の上手で勝てば異なる対局者とみなす。

(4) 二段への昇段は、次の基準による。

ア 七段以上の高段者からの直接認定。

イ 初段に昇段後、有段者からは平手の対局で、中段者からは平手から二枚王までの下手の手合いで、高段者からは平手から獅子二までの下手の手合いで5勝(同一対局者からは2勝まで)。ただし同一対局者であっても、3段までの相手には横行落以上、中段者・高段者については小駒落以上の上手で勝てば、異なる対局者とみなす。

(5) 三段への昇段は、次の基準による。

ア 八段以上の高段者からの直接認定。

イ 二段に昇段後、有段者からは平手の対局で、中段者からは平手から二枚王までの下手の手合いで、高段者からは平手から獅子二までの下手の手合いで5勝(同一対局者からは2勝まで)。ただし同一対局者であっても、初段については獅子二以上の上手、二段・三段については横行落以上の上手、中段者・高段者については小駒落以上の上手で勝てば、異なる対局者とみなす。

(6) 四段及び五段への昇段は、次の基準による。

ア 三段又は四段昇段後、異なる4人以上の有段者との直近10対局で勝率6割以上。6割以上が確定した時点(例えば6連勝)で昇段とする。同一対局者からは最近の3局を認定の対象とする。自分が下手の対局は、対象としない。また、同一対局者であっても、自分よりも下位の有段者については獅子二以上の上手、同位の有段者については横行落以上の上手、自分より上の有段者については、小駒落以上の上手で勝てば、異なる対局者とみなす。

イ 三段昇段後有段者との対局で20勝、四段昇段後有段者との対局で30勝。自分が下手で勝利したものは対象としない。

(7) 六段については、認定委員会で該当者の検討を行う。検討する場合、次に示す条件を全て満たさなければならない。

ア ルールを熟知している。

イ 引き分け判定ができる。

ウ 五段昇段後、有段者との対局を20局以上行い、6割7分以上の勝率がある。

エ 過去に有段者が3人以上参加する連盟主催の大会で2連覇あるいは通算3回以上優勝している。

オ その他、高段者としての十分な棋力があると認められる。

(8) 七段以上については、六段への昇段者が出た後、補足によって定める。

(9) 反則による勝ちは理事立会いの下、記録としての認定をするかどうか決めることとする。

(独自の認定基準)

第6条 連盟主催の通信大会、主催・公認オフ会でのタイトル戦については、その大会要綱において独自の認定基準を設けることも可とする。ただし、それらは全て連盟理事会にその素案を提出し、認められた場合にはじめて有効とする。また、第5条に示した基準と著しく違うものであってはならず、以下に示す上限を超えてはならない。

 (1)初参加者、級位者については二段まで。

 (2)有段者については、1段階上または五段のうちいずれか低い方。

(規定の改正)

第7条 今後、 会員の増加によって前条に定める認定基準をさらに詳細なものにする必要が出た場合には、理事会は直ちにその検討にあたるものとする。また、補足は随時、加えるものとする。

(規定の適用)

第8条 今回の改訂基準の適用は、原則としてこの規定が公布された日以降に催される大会、オフ会、公式対局に適用する。ただし、公布日から遡って過去1年間の対局成績については、本規定によって昇級昇段ができる場合、昇級昇段させるものとする。また、第5条(7)エについては、連盟発足日まで遡って適用する。

 以上、理事会にて旧規定を改正承認の上、同日より施工

2003年8月31日付

2007年8月4日、総会議決により一部改正

 

別表・10級から1級までの昇級規定について

  対・有級者 対・有段者 対 中段者・高段者
  自分が下手 自分が上手 自分が下手 自分が上手 自分が下手 自分が上手
平手 1ランクup  3ランクup 1級に昇級
小駒落 1ランクup 1ランクup 2ランクup 認定しない  3ランクup 認定しない
横行落 1ランクup 1ランクup 2ランクup 3ランクup
竪行落 1ランクup 1ランクup 2ランクup 3ランクup
二枚王 1ランクup
上限5級まで
2ランクup 1ランクup 2ランクup
獅子二 1ランクup
上限5級まで
2ランクup 1ランクup 2ランクup
獅子二飛車落 認定しない 認定しない 1ランクup
上限4級まで
1ランクup
上限3級まで
獅子三 認定しない 認定しない 1ランクup
上限5級まで
1ランクup
上限5級まで
獅子三奔王落 認定しない 認定しない 1ランクup
上限7級まで
1ランクup
上限5級まで
獅子三奔龍落 認定しない 認定しない 1ランクup
上限7級まで
1ランクup
上限5級まで

注意1.黄色の枠になっている手合いは、対局相手が自分より上位の相手に限る。

注意2.上限○級と但し書きのないものに関しては、すべて1級を上限とする。