定跡紹介・解説

2001.2.5.新規

 

 ここでは会長の経験と過去の資料をもとに中将棋の定跡・戦法についてを紹介していきたいと思います。なお、戦法が当分の間はメインとなりますが、よろしくご了解ください。

 なお、戦法については会長が命名したものや、ご覧の皆様からの新たな戦法などもその方の命名をもって紹介していこうと思います。なにせ中将棋には決まった型がありませんし、わずかに残る資料にも命名はされていませんので、折角なのでかっこいい名前をみんなで付けていって、広めたいと思います。

 

その一、玉将の囲み方

壱.双龍戦法

 
     
   

 麒麟と鳳凰の動いた穴に、左右の龍王が入り込む形です。主に江戸期の棋譜に多く残されている序盤の駒組みの方法です。

 ちなみに獅子は別に動く必要は無いのですが、これだけは初手の定跡の中の定跡として、必ず獅子を前進してバリアーを張り出すことが大事なためです。また、これに関連してどこの位置に獅子を張り出すかも大切な要素ですが、6列目、奔王の前に出すのが後の駒組みにおいても重要です。

 それは、麒麟と鳳凰の特殊な駒を共に初期位置から動かすには、7、8列の歩兵を突き出さなくてはならないので、麒麟の前に前進する形を取ってしまうと後ろの歩兵が身動きが取れなくなり、結局麒麟を動かすことが出来なくなるからです。また、5列8列に張り出すと、今度は龍馬・角行の斜めラインの利きを生かすことが出来なくなります。

 さて、上の駒図は龍王が入り込んだところのごく基本的な形までを示しています。この後の戦い方としては、左右の龍馬を一段下げ、さらに横に控えている飛車2枚を真ん中に寄せ、中央での戦線を張り出すことが考えられます。

 どちらかと言えば、中央での戦いを考える場合の陣形といえます。

弐.阪神タイガース戦法(笑)

         
 

 さて、盲虎という駒は強いように見えて、実は前に動けないと言う弱点があるために極端に敵に狙われやすく、また、壁として使うにも癖のある駒です。

 そこで会長は考えました。「弱い盲虎も2枚重なれば強くなる!」そうです、右図のように麒麟と鳳凰の穴を盲虎がくっつく形を取ると、お互いの盲点がカバーされあいます。これぞまさしく阪神タイガース(笑)。

 また、ここでは龍馬が盲虎の穴に入る形を取って、鉄壁の布陣を築いていますが、龍馬の代わりに銀将が上がるのも有効です。どちらにせよ、守りの布陣です。そして、双龍戦法との違いは、龍王2枚が自由に使えると言う利点です。

 龍馬2枚を下げる形を取ったことで、龍王2枚と奔王が横に自由に動かせますので、端攻めを考える場合にはなかなか面白い陣構えだと思います。

また続きは後日…