2004.4.22.改定

中将棋のルール紹介…駒の動き方について

 

 左は初期配置の図です。

6・7列を除いた各列は左右対称形となっています

 

 

 成り駒専門の駒も併せると、全部で29種類、駒の性能に合わせて格付けがされています。

小駒走り駒大走り獅子

です。

 

 

 

 

 

 それでは、駒の動き方(性能)をそれぞれ格付けに分類して解説していきます。

○は、その方向に歩くことをあらわし、▲はその方向への走りをあらわします。斜め方向への走りは極太実線で表示しています。@Aの動き方については別に解説します。

 

1.「歩」の格付け

歩=歩兵(ほへい・ふひょう・ふ)成ると「と金
 本将棋とは異なり、使い捨てなので本当に使い捨ての駒としてバンバン前進して下さい。

仲=仲人(ちゅうにん)成ると「酔象
 武士の時代、合戦では歩兵隊の前に誰が大将かをあらわす家紋旗を立てていました。第一特攻隊にも見えるその姿です。

2.「小駒」の格付け

猛=猛豹(もうひょう)成ると「角行・ちょろかく
 銅・銀よりも強いです。

銅=銅将(どうしょう)成ると「横行
 棒銅戦法で攻めますか?後ろが意外と盲点です。

銀=銀将(ぎんしょう)成ると「竪行
 これも棒銀かな? それとも自軍の守りに使いますか?

金=金将(きんしょう)成ると「飛車・きんびしゃ
 終盤に成って自軍の防衛線に使うことがあるそうです。

盲=盲虎(もうこ・めくら)成ると「飛鹿
 前に盲点があるところがまさにタイガース。

酔=酔象(すいぞう)成ると「太子
 どうやって成らしますかね?太子になれば王将2枚ですから大切ですよ。

太子・王将(たいし・おうしょう・ぎょく)
 全軍の将です。小駒とは別格に扱うのですが、太子も存在する場合はどちらか一枚を小駒として扱います。

麒=麒麟(きりん)成ると「獅子
 これも意外と小駒の扱いになっています。斜め四方には1マス歩き、上下左右には1マス飛び越えます。敵味方の駒があっても飛び越すことになります。
 成ると最強の獅子ですから、うかつに殺すわけにも行きません。でも意外に成りにくい駒なんですよね…横行一枚で…。

 

3.「走り駒」

鳳=鳳凰(ほうおう)成ると「奔王
 麒麟とは一対で動き方を覚えてください。こちらは斜め四方に1マス飛び越します。麒麟はダイヤがた、鳳凰はその逆と覚えましょう。こちらは意外と使えるときがあります。

 

 

 

香=香車(きょうしゃ・やり)成ると「白駒
 本将棋でもおなじみですが、こちらは成ると別物です。もちろん、使い捨てゲームですから両端のラインからそのままで移動することは出来ません。

反=反車(へんしゃ)成ると「鯨鯢
 香車に後ろ走りが加わりました。ともにスズメ刺しで死ぬことが圧倒的です。私は「はんしゃ」と読んでます。

竪=竪行(しゅぎょう)成ると「飛牛
 反車に両横への歩きが加わった形です。スズメ刺し要員です。私は「たてぎょう」と読んでいます。なかには「たていき」とも…

横=横行(おうぎょう)成ると「奔猪
 トド迷人は「おうこう」と読んでおられる駒です。私はもちろん「よこぎょう」。竪行と対の性能です。でも実際には「…がおうこうする」と言いますし、おうこうが正しいかもしれないですね。

鹿=飛鹿(ひろく)
 盲虎の成り駒としてのみ登場します。あまり登場頻度は高くありません。使いこなせるかな?

白=白駒(はくく)
 香車の成り駒です。前三方に走り、後ろにも走れます。ほうき型ですね。

鯨=鯨鯢(けいげい・げいげい)
 発音的には「げいげい」が正しいそうですが、重いので前者になったみたいです。ともに「くじら」の意味です。白駒と対です。

牛=飛牛(ひぎゅう)
 前後6方に走る脅威の駒です。竪行の成り駒として登場します。

猪=奔猪(ほんちょ)
 横行が感動の成り駒です。左右に6方走ります。これも飛牛と対ですね。

飛=飛車(ひしゃ)成ると「龍王
 毎度おなじみの駒、今回は金将の成り駒としても登場します。4方に走ります。

龍=龍王(りゅうおう)成ると「飛鷲
 (飛車が成ると)斜めに歩くことが出来るようになります。

鷲=飛鷲(ひじゅう)<大走り駒
 飛車の最終形が飛鷲です。後ろ斜めにも走り、斜め前2方には獅子と同様の動きが出来るようになります。すなわち、@は敵駒なら貫き、味方の駒は飛び越せます。Aまで進め、合わせて敵駒を2枚貫き殺すことが出来るという優れものです。@から元の位置へ戻る「居食い・じっと」も可能です。

角=角行(かくぎょう)成ると「龍馬
 こちらもおなじみの駒、今回は猛豹の成り駒としても登場します。斜め4方に走ります。

馬=龍馬(りゅうま)成ると「角鷹
 (角行が成ると)縦横に歩くことが出来ます。

鷹=角鷹(かくおう)<大走り駒
 角行の最終形がこの角鷹です。両横・後ろにも走ることに加え、上には飛鷲と同じ性能が加わります。居食いの性能としては角鷹よりも飛鷲に軍配があがりますが、走り駒としてはこちらが使いやすいです。

4.「大走り駒」

奔=奔王(ほんおう・ほんのう)
 飛鷲・角鷹と併せてこの3種類が走り駒の中でも別格の大走り駒です。8方向に走るという、チェスのクィーンですね。でもこちらは女性ではないようですが…。

5.獅子

獅=獅子(しし)
 中将棋では最強の駒、それが獅子です。図ではややこしくなりますので、単純に「一度に王将2回まで動く」と覚えましょう。図では、
@の範囲にいる敵駒を居食いすることが出来、
Aへは@を飛び越して進むことも出来ますし、@の敵駒もともに貫くことが出来るのです。
一手で2枚まで敵駒をつぶすことができるのでとても重要です。

@>獅(居食い・じっと)
@>@、
@>A、
@でストップ
の4通りの動き方が出来ます。

 また、獅子については特殊な規則が存在します。総則の編で紹介しますのでよく知っておいてください。