2000.12.4.制作
日本将棋史史上、また世界中の将棋ゲームの中でも最高の駒数と盤面を持つ将棋、それが大局将棋です。いったい誰が考案したのかはまったく不明ですが、江戸時代の将棋御三家であった大橋家の文書『大局将棋駒』にその仔細が記されていたそうです。
成立年代も不明ですが、将棋六種図式や天竺大将棋、和将棋・禽将棋などのあちこちの将棋から駒の種類を転用していることから、泰将棋などよりは時代が下るものと解釈できます。
ひょんな縁で期せずして大局将棋をこの目で見る機会にでくわし、さらに現代にこの大局将棋を復元された製作者の熊沢良尊さんの記念講演とその添付資料をたよりに見事、表にして見せました。
一応、成駒も全て手元に記載されていますが、あまりにもこの表自体が大きすぎるためにやめました。
なお、表中薄緑となっている範囲(11段分)が陣地です(つまり成ることが出来る範囲でもあります)。
ここで大局将棋の概要です
駒の総数804枚(片側402枚)
駒の種類およそ208種類前後(数えてられん)
盤の桝目・36×36マス=1296マス
です。大阪商業大学アミューズメント産業研究所(日本遊戯史学会事務局兼ねる)にて展示される大局将棋の実物を写真撮影していますので見たい方はどうぞ。(それぞれ128KB程度です)
なお、表中青字の駒はいつものように漢字が無いので代用しています。
奇犬は「口」へんに「奇」です。
摩喝は「魚」へんに「喝」の右半分です。
鉤行は、元の文献には「鈎行」とあるのですが、駒の性能とその名前の意味合いから考えて、「かぎ」とするのが正しいだろうという判断に基づいています。